今の時代、「学歴がすべてじゃない!!」
なんて、聞きますが、
すべてじゃないけど、「人生の武器」として使うには、学歴や出身大学名は、十分な効果があるように思えます。
今回の記事では、学歴および出身大学名について、いくつかの視点で考えてみました。
前置きは短く、さらっと本題に入ります。(笑)
収入
まずは、一番わかりやすい収入について、労働政策研究・研修機構「ユースフル労働統計 2016」を参考にみていきます。
学歴ごとの生涯賃金(退職金を含めない) 単位:百万円
【平成26年】
学 歴 | 男 | 女 |
中学卒 | 188.1 | 131.5 |
高校卒 | 206.7 | 146.6 |
高専・短大卒 | 212.6 | 174.2 |
大学・大学院卒 | 266.3 | 218.1 |
男女ともに、中学卒と、大学・大学院卒で、8千万円前後の違いがあります。
男性の生涯賃金(退職金を含む) 単位:百万円
【平成26年】
学 歴 | 賃 金 |
中学卒 | 222.8 |
高校卒 | 244.9 |
高専・短大卒 | 255.2 |
大学・大学院卒 | 320.3 |
退職金を含めた男性の場合、中学卒と、大学・大学院卒で、1億円近く違います。
40歳時点の年収(正社員) 単位:万円
次に、40歳時点における年収を、
書籍「子供の貧困が日本を滅ぼす 社会的損失40兆円の衝撃(出版社:文春新書)」
を参考に、比較してみます。
【平成26年】
学 歴 | 男 | 女 |
中学卒 | 439 | 316 |
高校卒 | 505 | 357 |
高専・短大卒 | 528 | 437 |
大学・大学院卒 | 676 | 544 |
男女ともに、中学卒と、大学・大学院卒で、約230万円の違いがあります。
全員ではないでしょうが、収入にこれだけの違いが出るのであれば、高額な学費を出しても、大学まで卒業する意味は十分にありそうです。
男性における学歴ごとの就業状況
次に、40歳時点における就業率と、正規雇用者の割合を、
上記と同じく、書籍「子供の貧困が日本を滅ぼす 社会的損失40兆円の衝撃(出版社:文春新書)」を参考に、比較してみます。
女性の場合は、出産等の影響もあるため、男性に限って比較してみます。
就業率
中学卒 76.6%
高校卒 89.9%
高専・短大卒 93.8%
大学・大学院卒 95.6%
正規雇用者の割合
中学卒 60.5%
高校卒 76.6%
高専・短大卒 77.4%
大学・大学院卒 85.6%
どちらも、学歴が高いほうが、高い割合を示しています。
企業の採用担当者の視点
以前、こんな記事を読んだことがあります。
企業の採用担当者は、優秀な人材を採用したいと考えています。
高学歴の人が優秀というわけではないが、
優秀な人材を採用できる可能性を極力高めたいと考えており、
その結果、
「有名大学卒という市場」からの採用が優先され、
大学名による、「入社試験の足きり」もあたりまえに存在する。
能力(学力)
この件については、素朴な疑問が浮かびます。
「同じ人間が、大学を出た場合と、高卒の場合で、能力に違いが出るのかな?」
って思いませんか?
もともと優秀な人が、大学に行っているのだとしたら・・・
この疑問については、同一人物で、比較してみないと、大学に行ったことによる効果は実証できない気がします。(笑)
ただ、大学に行く人は、受験勉強というイベントを経験している分、勉強する(学ぶ)ことに慣れている気がします。
つまり、学ぶという習慣(姿勢)が身につくことで、その後の人生に大きな効果をもたらすのかもしれません。
高等教育機関(大学等)への進学率
次に、高校卒業後の進学率について、文部科学省「学校基本統計」を参考にみてみます。
進学率(平成27年度)
大学 51.5%
短大 5.1%
高専4年次 0.9%
専門学校 22.4%
合計 79.8%(約96万人が進学者)
18歳の人口
平成4年 205万人(進学率57%程度)
平成27年 120万人(進学率79.8%)
進学率は、大幅に上昇しているが、人口減少が激しいため、進学者数は、平成4年のほうが多いことになります。
大学への進学者が、約半数という数値ですが、どう感じますか?
まとめ
いくつかの視点で、学歴について考えてみましたが、行かないよりは、行った方がいいと思いますし、費用対効果も悪くないと思います。
支払う学費に対し、生涯収入が上回ることを考えると明白ですね。
学費については、以前の記事をご覧ください。
⇒私立大学入学にかかる費用とは?今から貯めないと間に合わない!?
ただ、純粋に、大学に行ったから、能力(学力)が上がるかどうかは、わかりません。
大学に行くより、もっと効率よく学ぶ方法があるかもしれません。
学びに対して、意識の高い人は、4年間の時間が無駄だと思うかもしれませんが、授業以外の時間を有効活用することで、学校では学べない経験もたくさんできます。
例えば、
色々なアルバイトをすることで、自分に合った仕事や、自分の向き・不向きを知るきっかけになるかもしれません。
社会人になってから、転職を繰り返すと印象を落としますが、アルバイトをたくさん経験することは、逆に好印象です!!
また、大学は、色々な地域(全国各地)から学生が集まりますので、友人から受ける刺激も大きな学びになるでしょう。
そして、友人との出会い自体が人生の財産になるかもしれません。
特に、やりたいことが明確でないなら、「とりあえず大学」じゃないでしょうか。
大学を卒業しておくことで、人生の選択肢を広げておくことができると思いますし。
で、私が出した結論は、
現在の日本の労働市場に限定して考えれば、
学歴は「人生の武器」となる!!
おわりに
よくよく考えてみると、「学歴」とは、その人の保証書なのかもしれません。
「その大学を卒業できるレベルの知識を持っていますよ!」という・・・
国家資格なども同様な気がしますね。
ちなみに、自分で、自分の「人生の武器」をつくれる人は、学歴は必要ないと思います。
学歴は無くとも、大卒と同等の知識を持っている人もいるでしょうし。
自分の武器で、世の中に価値を提供していくでしょうから。
ただ、学歴によって、受験資格のない国家資格があることを考えると、人生の選択肢を狭めないために大学へ進学するという選択もありかもしれません。
「選択と集中」の原理からすると、生産性が非常に低いかもしれませんが・・・
当ブログをお読みいただきありがとうございます。
少しでも、この記事を楽しんでいただけたなら幸いです。
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