組織(会社)で働く人なら誰も経験するのではないでしょうか。
「マネジメント」の難しさを!
ちなみに、あなたは、部下のマネジメントに悩んでいませんか?
私も、「部下の育成」、「チームをどうまとめたらいいのか?」、「マネージャーとしてどうあるべきか?」などなど、マネジメントについては、悩み続けてきました。
幸い、一緒に働いてくれるチームの仲間に助けられながら、10年以上、マネジメントの業務に携わっています。
先日、職場の友人2人から、立て続けに、部下のマネジメントについて、相談を受けました。
「部下への接し方(コミュニケーション)」、「人材育成」、「部下がミスしたときの指導のしかた」など、悩みは様々でした。
そんな二人が、口を揃えていう言葉があります。
「自分の仕事のことだけを、考えていれば良かったプレーヤーが一番楽しい!!マネージャーは、大変だ・・・」
この言葉には、私も共感します。(笑)
でも、永遠にプレーヤーであり続けることって、組織で働いていく以上、ほぼ不可能だと思います。
となれば、マネージャー(マネジメント業務)を楽しむしかありません!
チームのみんなで成し遂げた仕事の達成感は、プレーヤー時代とは、比べ物にならないほど大きなものがあります。
1人じゃできないことも、みんなの力を借りれば、できるようになります。
では、マネージャーを楽しむには、どうしたらいいのか?
その答えについては、まだまだ模索中ですが、現時点では、「部下に任せて、部下の成長を楽しむこと」だと、私は思っています。
当然、そのためには、私自身が学び続けなければなりません。
人の本質を知り、部下の「やる気」を引き出すことができれば、部下の成長の速度を高めることができます。
理想を言えば、部下から「あの人と一緒に仕事をすると成長できる!」とか、「あの人と一緒に仕事がしたい!」と思われるような上司になりたいと思っています。
とてつもなく遠い目標で、道順も見えておりませんが・・・(笑)
ということで、今回は、私自身が、マネジメントに悩んだときに、マネジメントの本質と目的に気づかせてくれた、「ライフネット生命 創業者 出口治明さん」の書籍をご紹介します。
「初めて部下を持った」、「チームをまとめられない」、「マネジメントに疲れている」と感じているなら、特にオススメです。
また、自分のマネジメントスタイルを見直す「きっかけ」にも最適です。
部下を持ったら必ず読む「任せ方」の教科書 「プレーイング・マネージャー」になってはいけない
全編にわたり、勉強になる部分ばかりで、すべてについて紹介はできませんので、私が感じた、「マネジメントの意識を変えた3つ」をご紹介します。
私の主観が混ざりますが、ご理解ください。(笑)
1.部下が働きやすいように、具体的かつ的確な指示を出す
部下に的確な指示を出すための4つの条件を示しています。
- 期限を示し、期限の前に、進捗状況を確認すること。そして、仕事を任せた側も、きちんとメモをしておくこと。
- 優先順位を示すこと。
- 目的・背景を示すこと。
⇒ この仕事は、何のためにやるのか伝える。 - レベルを示すこと。
⇒ 完成品を望んでいるのか?それとも下書きレベルなのか?
この条件を読んで、「相手が理解できないのは、私の説明(伝え方)が悪いからだ」と思うようになりました。
チームの仲間が働きやすい環境を作るのも、マネージャーの役目なんですね。
2.報告・連絡・相談は「上司が部下に行う」もの
これは、完全に今までの「あたりまえ」を覆してくれました。
「なんで、報告しないんだ!?」とか、「部下が報告するのがあたりまえだろ!?」という意識は完全になくなりました。
確認しておきたいことは、自分から確認するようになりましたね。
そして、「報告されないのは、自分が悪い!」という意識を持つようになり、いつでも、「報告や相談をしてもらいやすい空気」を作っておくことが大切だと気づきました。
また、出口治明さんは、書籍のなかで、
「部下のミスは、問答無用で責任を取る!」
「知っていようが、知っていまいが自部門の責任は取る!」
とおっしゃっています。
この意識が、マネージャーにはとても大切だと感じました。
3.「プレーヤーとしての能力」と「マネージャーとしての能力」は全く違う
プレーヤーとしての業務の延長線上に、マネージャーという業務があるわけではない。
つまり、マネージャーになったら、プレーヤーとしての過去の自分を捨て、マネージャーとしての能力を1から学ぶ必要があるということです。
書籍の中で示されている、マネジメントを行う上での、重要な視点についてご紹介します。
必要な能力(プレーヤー・マネージャー)
プレーヤー:自分の仕事をひたすら高めていく能力
マネージャー:部下全員に合格点(60点)を取らせる能力
「攻め」が得意な部下には、「攻め」の仕事だけを任せる
万能(オールマイティー)な人材など存在しません。
人には向き不向きがあるため、その人の特性に合わせて仕事を任せることが重要で、その人が不得意な所は、他の人材が補えば良い。
そして、部下の短所については、ほおっておき、長所をどんどん伸ばしてあげる。
部下を忙しくさせるのが、上司の愛情
部下が仕事をサボっていたら、上司が仕事を任せていないということ。
仕事を任せるときは、「上司が認めてくれているから、任されているんだ」と思わせることが大切である。
退屈でやることがないより、忙しく働いて、成果や実績があったほうが、仕事が楽しいはずです。
人間が、一番つらいのは、退屈でいることです。
会社に「サボる社員」が必要な事情
集団が形成されると「2割・6割・2割」の割合で、3つのグループに分化されると一般的に言われています。
そのグループとは、
- 上位2割 優秀なグループ
- 中位6割 平均的なグループ(普通に働く)
- 下位2割 実績や生産性が低いグループ(サボっている・任されたくない)
となり、下位の2割がいなくなると、残った8割の中で、変化が生じて再び同じような3グループになってしまいます。
下位の2割グループは、緊急時や、不測の事態に対応するためと考え、余力を残していると考えること。
部下を肯定的に評価する
人間には、人に認められたいという、承認欲求があります。
仕事は、60点で合格であり、できなかった40点は目をつぶって、任せた相手を褒めてあげること。
ちなみに、褒めると叱るの割合は、「3(褒める):1(叱る)」が良いとされている。
また、仕事を任すことで得られる、任される側のメリットも示しています。
- 存在価値が認められ、やる気がでる
- 成長する(視野が広がる)
- 責任感が身につく
仕事を任せるときは、「この仕事を、お願いしたら悪いかな?」ではなく、相手の成長ためと思い、心を鬼にして、任せてみましょう!!(笑)
まとめ
出口治明さんは、マネジメントの本質について、こうおっしゃっています。
「マネジメント」とは、突き詰めると「人を使うこと」
出典:部下を持ったら必ず読む「任せ方」の教科書(著者:出口治明、出版社:角川書店)
つまり、マネジメントを学ぶことは、人について学ぶことであり、人に気持ちよく動いてもらうための能力を身につけていくことなのかもしれません。
また、マネージャーの重要な業務に、「判断すること」がありますが、正解のない問題や課題に対し、いい判断をするためには、「インプットの量を増やし、自分の頭で考えること」が大切だといいます。
そして、そのインプットの量を増やすためには、
「人から学ぶ」「本から学ぶ」「旅から学ぶ」、この3つ以外ありません。
出典:部下を持ったら必ず読む「任せ方」の教科書(著者:出口治明、出版社:角川書店)
とおっしゃっています。
マネージャーとして、日々、学び、自分の頭で考え続けるしかないですね。
おわりに
以前、参加させていただいた研修会で、在学医療を行っている医師の言葉に感銘を受けたことがあります。
それは、「自分の無力さを知ることから、医療連携(在宅医療)は始まる。」という言葉です。
私は、この言葉を聞いたときに、「マネジメント」も同じだと感じました。
自分の無力(無知)さを知り、「自分1人じゃなにもできないこと」を自覚することから、マネジメントは始まるのかもしれません。
また、「マネジメントスタイル」については、マネージャーによって、様々だと思います。
「カリスマ的」な人もいれば、「共感するスタイル」の人もいるでしょう。
部下を持ったら必ず読む「任せ方」の教科書をきっかけに、あなたに合った「マネジメントスタイル」を模索してみてはいかがでしょうか。
「人から学び、本から学び、旅から学ぶ」ことで!!
当ブログをお読みいただきありがとうございます。
少しでも、この記事を楽しんでいただけたなら幸いです。
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