介護の仕事に不満や不安を感じているあなたへ【介護施設の経営状況】

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介護、車椅子、高齢者

いきなりですが、まず、この調査結果をご覧ください。

 

月給制で働く介護施設職員の約80%が、働く上で、不満を感じており、

そして、約74%の人が、働く上で、将来に不安を感じている。

 

これは、2017年3~4月に「日本介護クラフトユニオン」さんが行なった、介護施設で働く介護職員を対象にした調査結果です。

そして、介護施設職員の「不満の主な理由(3つまで回答可)」は、次のとおりです。

  1. 賃金が安い          56.3%
  2. 仕事量が多い         34.9%
  3. 何年たっても賃金が上がらない 30.6%
  4. 連休が取りにくい       22.3%
  5. 昇給システムが明確でない   18.2%

この結果から不満の原因は、「低賃金」と「人手不足」にあると言えそうです。

 

介護職員の処遇改善(低賃金)の問題って、「介護職員処遇改善加算」の引き上げがされるなど、国としても力を入れているんでしょうが、ほとんどの介護職員さんが、効果を実感できてないのが現状ではないでしょうか?

 

私も、常々、「なんで、こんなに需要が多く、供給が少ないのに、給与が上がらないのか?」
って、不思議です。

また、国の予想では、2025年には、介護職員が40万人足りないと試算されているのを考えると「介護職員の給与を、もっと上げればいいのに・・・」って思います。

 

そんな中、厚生労働省が、先日、公表した、「平成29年度介護事業経営実態調査」の結果をみて、びっくりです!!

 

率直な感想は、「これじゃ、介護職員の給料が上がらないわけだ・・・」でした。

 

そこで、介護の仕事を頑張っている、あなたにも、介護業界の現状について知っておいてほしいと思い、今回の記事を書かせていただきました。

 

自分の働いている、労働市場(業界)の現状を知ることは、不安を軽減することにも繋がると思います。

ただ、「不安だな~」って思っているだけでは、何も変わりません。

 

受け取り方によっては、「ますます不安になったよ!」って言われちゃうかもしれませんが、

 

良いことも、悪いことも、すべて知ったうえで、人生は選択すべきだと、私は思います。

 

ということで、今回は、「平成29年度介護事業経営実態調査」の結果を参考に、介護施設の経営状況と、介護職員の処遇について考えてみました。

 

私の偏った主観を、お楽しみいただけると幸いです。

介護施設の経営状況

それでは、「平成29年度介護事業経営実態調査結果」からいきます。

ちなみに、介護施設の種類については、主な介護施設である「特別養護老人ホーム」「老健」「介護付き有料老人ホーム等」の3つで、みていきます。

施設種類別 月間収支一覧(単位:千円)

まずは、月間の収支状況です。(ここでいう利益は、法人税控除前とします。)

特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)

項目平成27年度平成28年度
収入24,88825,643
支出24,25725,246
利益631397
利益率2.5%1.6%

老健(介護老人保健施設)

項目平成27年度平成28年度
収入33,53933,543
支出32,46132,399
利益1,0791,145
利益率3.2%3.4%

介護付き有料老人ホーム等(特定施設入居者生活介護)

項目平成27年度平成28年度
収入22,87520,529
支出21,92720,021
利益948508
利益率4.1%2.5%

 

3施設の収支状況をみていただきましたが、月間で40~100万円程度しか、利益が出ていないことがわかると思います。

つまり、介護職員が、30人いる事業所なら、月額2~3万円の給与改善を行うと、赤字になる施設がほとんどということです。

また、人手不足を補うため、職員を増員(3~4人)しただけで、赤字なってしまいます。

 

他にも、建物や設備の老朽化の問題や、新たな設備投資だって必要になるでしょう。

どう考えても、この利益額では、施設運営は厳しいと言わざるを得ません。

 

ちなみに、介護サービス事業者の主な収入は、介護保険サービスにおける「介護報酬」です。

そして、「介護報酬」は、国が決めます。

 

つまり、「介護報酬」を国が上げなければ、介護サービス事業者の収入は増えないということです。

 

これが、「価格決定権のない官製市場」といわれる由縁です。

施設種類別 入所稼働率(単位:%)

次に、入所稼働率をみてみます。

入所稼働率とは、入所定員のうち、常時何人が入所しているかという指標です。

100人が入れる施設で、90%の入所稼働率なら、常時90人が入所しているということです。

 

施設の種類平成27年度平成28年度
特別養護老人ホーム96.7100.0
老健89.693.8
介護付き有料老人ホーム等93.990.5

 

施設の種類により、ばらつきはありますが、比較的高い入所稼働率となっております。

 

ちなみに、特別養護老人ホームについては、100%の稼働率です!!

 

つまり、特別養護老人ホームについては、100%の稼働率にもかかわらず、月間40万円しか、利益が出ていないことになります。

 

これは、稼働率を上げることで、収入を増やすという選択肢がないことを示しています。

施設種類別 人件費率(単位:%)

次に、収入に対する人件費率をみてみます。

施設の種類平成27年度平成28年度
特別養護老人ホーム63.864.6
老健59.660.1
介護付き有料老人ホーム等44.446.0

 

介護サービスは、人が主体のサービス形態であるため、非常に高い人件費率となっております。

そして、人件費は、毎年必ず上がっていきます。

なぜなら、昇給するからです。

 

つまり、施設の収入が増えなければ、人件費率はどんどん上昇し、利益を圧迫します。

1日における入所者1人あたりの収支(単位:円)

次は、入所者が1日間施設に入所した場合の、収入と、そのサービス提供にかかる支出です。

施設の種類平成27年度平成28年度
収入支出利益収入支出利益
特別養護老人ホーム12,33312,02131212,21312,024189
老健13,78113,33844313,27212,819453
介護付き有料老人ホーム等13,62513,06056512,92712,607320

 

介護施設とは、食事介助つきで、食事を3食(朝・昼・晩)提供し、お風呂介助、排泄介助、ベットメイキングなど、職員が24時間、対応しています。

しかも、老健については、医師、看護師の配置が必須です。

 

これほどのサービスを提供して、施設の収入は、入所者1人あたり、12,213~13,272円(1日あたり)となっております。

この金額を、高いと感じますか?

それとも、安いと感じますか?

 

次に、利益をみていきます。

利益率の一番高い老健ですら、入所者1人あたり、453円(1日あたり)しか利益が出ていません。

特養にいたっては、189円の利益です。

ほぼ、ボランティアです。

 

これって、事業として、成り立ちますか?

 

生産性の観点からみても、酷すぎます。

24時間働いて、453円の給料しか出ない仕事って、どう思いますか?

最低賃金法を完全に無視してますね。(笑)

 

そして、介護施設は、入所定員が決まっていますので、入所者数を、定員以上に増やすことはできません。

つまり、売上は、頭打ちということです。

小売業は、利益率が低くても、販売数を伸ばすことで、成り立ちますが、介護施設はそうはいきません。

 

それだけ、介護施設は、苦しい経営を強いられているということです。

まとめ

重要

ここで、介護施設の経営状況について、まとめておきます。

  1. 入所稼働率は、高いが、利益率が低い。
  2. 人が主体となるサービスのため、人件費率が圧倒的に高い。
  3. 介護業界は、価格決定権のない官製市場である。

以上のことから、私が出した結論は、これです。

 

介護報酬の引き上げがされない限り、介護職員の給料は上がらない(上げられない)!!

 

ただ、仕事って、給与だけで選ぶものではないと思います。

やりがいや、働きやすさ、休みの取りやすさなど、あなたが「人生で手に入れたいと思っているもの」を総合的に考え、判断したほうがいいかもしれません。

 

逆にいれば、職場環境が悪く、やりがいを感じられない職場(介護施設)は、すぐに辞めたほうがいいでしょう!!

 

そして、給与が「仕事を選ぶ最重要ポイント」だというなら、介護業界は不向きです!!

 

あなたは、仕事に何を求めますか?

おわりに

「あなたは、自分が働いている施設の経営(財務)状況を、知っていますか?」

 

恐らく、開示されていないところが、多いのではないでしょうか?

 

私としては、経営状況を開示をしている事業所の方が、好感を持てます。

なぜなら、現在の厳しい状況を、職員全員で乗り切っていこうという意思表示に思えますし、職員全員で経営していこうという姿勢がみられ、職員に対し誠実さを感じるからです。

 

ちなみに、誰でも同じだと思いますが、いつ倒産するかわからないような会社で、働きたくないじゃないですか!?

しかも、それを、隠ぺいしている会社なら、なおさらです。

 

ただ、残念ながら、現代の日本において、将来に不安のない会社なんてないのかもしれません。

大企業も倒産する時代ですし、リストラもあたりまえです。

また、会社の平均寿命を考えると、1つの会社の看板で、一生働き続けることは難しいですし。

 

これからの時代、会社の将来に不安を感じるのではなく、自分の職能に不安を感じ、自己成長のため、学び続けることが大切かもしれませんね。

 

当ブログをお読みいただきありがとうございます。
少しでも、この記事を楽しんでいただけたなら幸いです。

 

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