介護職の「離職率」を深堀りしたら、介護業界のイメージが変わった!

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「介護の仕事」と聞いて、どんなイメージを持ちますか?

「人や社会の役に立つとても意義(やりがい)のある仕事」という良いイメージもありながら、「体力的・精神的にきつく、給与水準が低く、離職する人が多い」など、大変な仕事という印象が強くないですか?

特に、「給与が安い」、「離職する人が多い」という印象については、情報番組等から耳にすることも多いですよね。

私は、先日、ある情報番組にて、介護職の離職率が16.7%(平成28年度)になったとの報道を見かけました。

先入観からか、介護職は、離職率が高いとの認識をしてますが、よくよく考えてみると16.7%の離職率って・・・

高いのか?低いのか?

わからなくないですか?

ということで、そんな素朴な疑問から、介護職の離職率と、これからの介護業界について、考えてみました。

今回も、偏ってまいります。

離職率

介護労働安定センターさんの「平成28年度介護労働実態調査」と、厚生労働省の「平成28年雇用動向調査」を参考に、ざっくり見ていきます。

介護職員の離職率(単位:%)

雇用形態 訪問介護員 介護職員(施設等)
正規職員(常勤) 16.8 14.7
非正規職員(パート) 14.8 21.3
合計 16.7

正規職員だと、訪問介護員の離職率が高いのに、非正規職員だと、介護職員の離職率が高くなってます。

産業別の離職率ランキング(単位:%)

順位 産業 離職率
宿泊業・飲食サービス業 30.0
生活関連サービス業・娯楽業 20.3
サービス業(他に分類されないもの) 19.1
教育、学習支援業 15.0
医療・福祉 14.8
産業全体 15.0

※この調査は、常用労働者に対する離職率となっております。

この調査では、ランキングの1~3位を、サービス業が独占してます。

つまり、他の産業と比較してみると、介護職員の離職率が、著しく高いわけではないことに気づきます。

なお、各産業の分類については、総務省のサイト「日本標準産業分類」をご覧ください。

日本の介護職員数

次に、厚生労働省「第4回社会保障審議会福祉部会福祉人材確保専門委員会資料(介護人材の確保について」を参考に、介護の仕事をされている人が、どれだけいるかを見ていきます。

推移(単位:万人)

年  度 介護職員数 要介護者数
平成21年度 136.3 469
平成22年度 142.7 487
平成23年度 150.9 508
平成24年度 163.0 533
平成25年度 170.8 564

平成25年度の時点で、170万人を超えております。

また、毎年、5~8%のペースで介護職員が増加しております。

介護職員の比率

総務省の調査では、日本の就業者は、6,563万人と出ておりますので、日本の就業者のうち、2.5%以上は、介護職員ということになります。

また、2025年における介護職員の必要数(国の試算)は、253万人とされておりますので、これからも「需要が増え続ける職種」と言えます。

介護職員の就業実態と意識

こちらも、介護労働安定センターさんの「平成28年度介護労働実態調査」から見てみます。

賃金

ざっくり試算すると、手当金額(夜勤など)を含めないで、年収300万円程度になりますね。

月額平均賃金(所定内賃金)

介護職員  208,162円

訪問介護員 197,041円

※所定内賃金なので、夜勤などの手当を除いた金額ということです。

年間平均賞与

正規職員  560,116円

退職理由

  1. 職場の人間関係に問題があったため 23.9%
  2. 結婚・出産・妊娠等のため 20.5%
  3. 法人や施設事業所の理念や運営のあり方に不満があったため 18.6%
  4. 他に良い仕事・職場があったため 18.2%
  5. 自分の将来の見込みが立たなかったため 17.7%
  6. 収入が少なかったため 16.5%

退職理由の上位に、「体力的・精神的にきつい」や「賃金水準が低い」は入っていません。

なお、どんな職場においても、退職理由の上位に入る、「職場の人間関係」は、介護業界でも上位です。

介護の仕事を選んだ理由

  1. 働きがいのある仕事だと思った 52.4%
  2. 資格、技能が活かせるから 38.3%
  3. 人や社会の役に立ちたいから 31.5%
  4. 今後もニーズが高まる仕事だから 31.9%

労働条件等の不満

「人手が足りない(53.2%)」、「仕事内容のわりに賃金が低い(41.5%)」という意見が多いですね。

実態として、給与(賃金)面の不満はあるが、それが直接的な退職理由になる訳ではなさそうです。

事業所規模・法人格別離職率

介護職員の離職率は、事業所の規模や法人格により、かなりの違いが出てます。

それでは、1つずつ見てきます。

事業所規模別(従業員数別)離職率

従業員数 介護職員(施設等) 訪問介護員
~9人 24.3 18.3
10~19人 21.1 17.4
20~49人 20.6 14.1
50~99人 15.6 12.4
100人以上 14.7 11.8

従業員数が多くなるほど、離職率が低くなっていきます。

これは、事業所規模が大きくなることで、事業の安定度や、休みの調整などしやすいからかもしれません。

法人各別の離職率

次に法人格の違いによる、離職率を見ていきます。

法  人  格 介護職員(施設等) 訪問介護員
医療法人 15.8 14.4
民間企業 23.4 16.8
協同組合(農協・生協) 11.0 9.7
NPO 15.0 9.8
社会福祉法人 15.7 11.7
社会福祉協議会 11.4 9.1
地方自治体(市区町村等) 11.3 10.1
社団法人・財団法人 11.5 9.6

さすが、行政系は、強いですね!!

圧倒的に、離職率が低いです。

これは、人気の職場と言えますね。

次いで、「医療法人」と「社会福祉法人」が、あとを追っている感じでしょうか。(笑)

一応、厚生労働省の資料です。

興味があれば、見てみてください。

事業所規模・法人格別離職率

出典:厚生労働省「第4回社会保障審議会福祉部会福祉人材確保専門委員会資料(介護人材の確保について」

まとめ

介護職員の離職率を掘下げてみましたが、最初のイメージと変わりませんか?

離職率が他の職種と比べて、高いわけでもありませんし、退職理由も他の職種とほぼ変わりません。

問題は、介護という職種(仕事の内容)というより、働きやすい職場環境かもしれませんね。

事業所規模や、法人格により、離職率に大きな違いがあるということが、それを示唆しているのではないでしょうか。

ちなみに、「介護サービスの職業」における、常用雇用者のみの、「有効求人倍率(平成29年7月)」は、2.93倍となっており、職種全体の1.25倍を大きく上回っております。

つまり、どうしようもない人手不足ということです。

介護職員数が、毎年5~8%の増加を続けているのに、人手不足が深刻なのは、介護職の需要が増え続けているからです。

国の予想では、2025年時点で、約40万人の介護職員が不足すると試算しております。

介護職員の方が、介護の仕事に働きがい(やりがい)を感じ、長く活躍いただくためにも、職場環境の整備が喫緊の課題かもしれません。

なお、就職・転職するなら、この条件を参考にしてください。

データ上から見ると、職場環境で失敗することが少ないと思いますので。

  • 100人以上の従業員がいる事業所
  • 社会福祉協議会等の行政系の事業所
  • 年収300万円程度(夜勤手当を除く)

有効求人倍率および転職については、こちらの記事がオススメです。

有効求人倍率の見方とは【労働市場の傾向と転職の最良時期を考える】

転職で失敗したくない!だったら「転職エージェント」を活用しよう!

おわりに

以前、ある調査で読ませていただきましたが、「人の役に立つ仕事がしたい」と感じている人は、とても多いです。

また、「ありがとう」と言われる仕事に、人が集まっているというデータもあります。

介護という仕事も、人の役に立ち、人から「ありがとう」をたくさんいただく仕事だと思います。

私たち一人ひとりが、世の中の偏った情報により、変なバイアスがかからないように意識する必要があるのかもしれません。

そうしないと、介護業界の人手不足が、なおも深刻化し、さらなる離職率の向上に繋がってしまう気がします。

40万人も足りないのに・・・

当ブログをお読みいただきありがとうございます。
少しでも、この記事を楽しんでいただけたなら幸いです。

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