この記事では、厚生労働省が、毎年発行している「労働基準監督年報」から、ちょっと衝撃的なデータをご紹介します。
それは、
「労働基準監督署が行っている立入検査における、法令違反の件数と内容」
です。
言い換えるなら、日本における「ブラック企業の割合」と「ブラック企業たる理由」です。
なお、「法令違反 = ブラック企業」というわけではないのかもしれませんが、1つの目安になることは間違いありません。
それでは、衝撃の結果(結論)から紹介していきます。
日本の「ブラック企業」の割合と、一番多い「法令違反」
日本の「ブラック企業」の割合は、66.8%です。
そして、一番多い法令違反は「労働時間に関するもの(長時間労働)」です。
ちょっと、衝撃的な数字じゃないですか!?
約7割の企業が、何かしらの「労働基準関係法令」の違反をしてるってことです。
ブラック企業の定義
「それでは、労働基準監督年報のデータを見ていきましょう!」
と言いたいところですが、まずは、この記事における「ブラック企業」という言葉について、定義しておきます。
なぜなら、「ちょっとした法令違反で、ブラック企業扱いかよーーー!?」と思われる方もいるかもしれませんので。
一応、しっかり調べてみました。
そもそも、「ブラック企業」という言葉について、厚生労働省は定義していません。
ただ、「ブラック企業」という言葉は、厚生労働省も使っています。
なら、「どういう意味で使っているの?」と思いますよね。
その回答が、ホームページに掲載されています。
「ブラック企業」ってどんな会社なの?
厚生労働省においては、「ブラック企業」について定義していませんが、一般的な特徴として、① 労働者に対し極端な長時間労働やノルマを課す、② 賃金不払残業やパワーハラスメントが横行するなど企業全体のコンプライアンス意識が低い、③ このような状況下で労働者に対し過度の選別を行う、などと言われています。
厚生労働省では、「ブラック企業」という言葉は使わず、その問題点を端的に表す表現として「若者の「使い捨て」が疑われる企業等」と称して対策を展開している。
具体的には、「若者の「使い捨て」が疑われる企業等」の特徴である過重な長時間労働の改善や、パワーハラスメントの予防・解決に向けた取組等を実施している。
要約すると、「企業全体のコンプライアンス(法令遵守)意識が低く、労働者に長時間労働をさせ、パワハラがスゴイ!!」って感じですかね。
これスゴイ会社ですね~(笑)
このように、ブラック企業の条件として「コンプライアンス(法令順守)」が入っていることから、一般的には、労働基準法等の法令違反をしている企業を含んで「ブラック企業」と称して良さそうです。(僕は、そう考えました)
結果、少なくとも、この記事に関しては、労働基準関係法令に違反している企業を「ブラック企業」と定義します。
それでは、お待ちかねの「詳細なデータ」をみていきましょう。
労働基準監督署における監督指導等の状況「平成28年」
立入検査の実施数と法令違反数
平成28年において、労働基準監督署が行った立入検査は、169,623件です。
そのうち、労働者等からの申告による立入検査を除いた、定期監督(毎月一定の計画に基づき実施する監督等)が、134,617件となっています。
つまり、法令違反が疑われているわけではないが、労働基準監督署の立入検査が行われた事業所(企業)が、134,617件あるってことです。
ちなみに、業種別の内訳としては、
- 建設業 44,279件(32.9%)
- 製造業 36,107件(26.8%)
- 商業 16,714件(12.4%)
- 運輸交通業 7,779件(5.8%)
- 保健衛生業 7,450件(5.5%)
となっています。
そして、定期監督134,617件のうち、法令違反があった事業所は、89,972件(66.8%)となっています。
この結果から、日本の企業の約7割は「ブラック企業」ってことが言えます。
立入検査において、法令違反が多い項目
法令違反件数の多いものから見ていきます。
1位 労働時間に関するもの
- 違反件数 28,252件(31.5%)
- 労働基準法 第32条・40条関係
主に、長時間労働に関する項目ですね。
これは、根が深い問題ですね・・・(笑)
2位 安全基準
- 違反件数 23,664件(26.3%)
- 労働安全衛生法 第20~25条
「労働者の危険や健康障害を防止するために事業者が行うべき対策」に関する項目です。
3位 健康診断・ストレスチェック
- 違反件数 19,716件(21.9%)
- 労働安全衛生法 第66条
職員の健康管理に関する項目です。
「職員の健康診断や、ストレスチェックを行いましょう!」って感じですね。
4位 時間外、休日及び深夜の割増賃金
- 違反件数 18,772件(20.9%)
- 労働基準法 第37条
割増賃金の支払いに関する項目です。
具体的に言うと、「時間外手当の支払いは、1.25倍にしてね」みたいなやつです。
5位 労働条件の明示
- 違反件数 13,754件(15.3%)
- 労働基準法 第15条
「雇用契約書等で、労働条件を明示しましょう」ってやつです。
ちなみに、明示しなければならない項目が「厚生労働省令」にて定められています。
なお、「もっと詳しく、労働基準法と労働安全衛生法を知りたいぜ!」というあなたは、こちらのサイトでご覧ください。
もし、「自分の会社って、ブラック企業なんじゃないか?」と感じたら・・・
厚生労働省に直接メールを送りましょう!!
労働基準監督署へ相談するより、超効果的です。
「なぜ、そんなことを知っているか?」って・・・
それは、職員からの通告により、抜き打ちの立入検査に入られたことがあるからだよ~(笑)
ぜひ、労働環境改善のためにも、お試しを!!
ちなみに、こんな感じのページです。
クリックすると、送信フォームが出てきます。
まとめ
最終的な結論です。
日本は、ブラック企業だらけ!!
なお、主な法令違反をすべてまとめてみると、
「安全基準を満たさない危険な事業所で、長時間労働を職員に強いるのに、残業代を払わない上、労働条件は一切明示しない、職員の健康なんてクソ食らえだーーー!!」
という企業です。
さすがに、こんな企業はないとは思いますが、これはブラックだわ~(笑)
一般的に、「ブラック企業からは逃げろ!!」なんて言葉を聞きますが、ちょっとや、そっとじゃ、逃げ切るのは難しい状況です。
だって、約70%の確率で「ブラック企業」に当たりますから!!
人気番組の「逃走中」で例えるなら、
「ハンター、ばっかりやないかい!!」
って感じです。
でも、諦めたら「経営者の思うつぼ」なんで、妥協せず、残り3割の「ブラックじゃない企業」を探し続けるしかないですね。
現在は、以前とは違い、
- 求人サイト(リクナビNEXT など)
- エージェントサービス(dodaエージェントなど)
の利用が一般化したこともあり、情報収集も簡単ですし、転職自体のハードルが下がっています。
なので、ますます、我慢し続けるメリットはありません。
日本には、400万社以上の会社があります。
ぜひ、働きやすい職場を探してみてください。
最後に、厚生労働省が公表している「ブラック企業のリスト」のリンクを貼っておきますので、興味があればご覧ください。
ちなみに、「自分は、どんな仕事が向いているだろう?」って人、多いと思うんですけど、そういう人は、客観的に診断してみるといいと思います。
有名なところだと、「ストレングスファインダー」がありますが、お金がかかっちゃうので、無料で利用できるミイダス の「コンピテンシー診断」がオススメです。
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最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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