フリーライディングでオーリーができるようになってくると、「キッカー(ストレートジャンプ)」にチャレンジしてみたくなりますよね。
ただ、「フリーランでのオーリー」と「キッカーでのオーリー」は、全くの別物なので、いきなりキッカーに入ると結構の確率でやられます。
というのも、僕自身、キッカーに入り始めた頃、気合(恐怖心に負けず)で「フリーランのときと同じオーリーをすれば良い!」と思って、かなり遠まわりをしてきたからです。
そんな、遠まわりをしてきた経験からはっきり言えるのは、
「フリーラン(グラトリ含む)のオーリーと、キッカーのオーリーは全くの別物」
ってことです。(あえて、繰り返し言っています)
で、何が違うかというと、キッカーの場合は、オーリーで飛ぶ(蹴る)というより、キッカーのR(キッカーを上っていく弧)を使って、いかに上半身を引き上げられるかを意識することが大切なんです。
この違いを理解しておかないと、キッカーでやられます!
そんなことで、この記事では、怪我をせず、スノーボードを楽しむために必要な「キッカーの基礎知識・注意点」を紹介します。
キッカーについて
キッカーの呼び方
分かりやすくするために、大き目のキッカーの画像を使用します。(湯の丸スキー場)
黄色矢印:アプローチ
緑の直線:リップ
赤の直線:テーブル
青の直線:ランディング
キッカーの流れ
黄色矢印(アプローチ)から滑っていき、緑の直線(リップ)でキッカーを飛び出し、青の直線(ランディング)に着地します。
ランディング(着地)する場所
基本的に、青の直線(ランディング)部分でしたら、どこに着地しても正解(安全)です。
ある程度、着地の衝撃をランディングの斜度が緩和してくれます。
ただ、理想の着地ポイントは、オレンジの△部分であり、ここに着地できると、着地の衝撃はほとんどありません。
ちなみに、僕の場合は、オレンジの☆部分に着地するようにしてます。
理由としては、飛び過ぎても、少し足りなくても、青の直線部分に着地できるからです。(飛び過ぎてもOK、足りなくてもOKが理想!!)
その分、アプローチスピードが必要になるのと、着地の衝撃が増えますが・・・
そして、着地してはいけない場所が、赤の直線(テーブル)です。
テーブルと呼ばれるこの部分は、斜度がほとんどなく着地の衝撃がスゴイです!!
冗談抜きで、大き目のキッカーでテーブル落ちすると、心まで折れます!!(笑)
その日は、「もう帰ろうかな!?」と一気に弱気になりますので、注意してください。
キッカーが大きくなるほど、衝撃が増しますので、できれば小さいキッカーから練習し、ランディング部分に着地することを意識してください。
キッカーを飛ぶときの重要なポイント
アプローチスピード
キッカーに入る前に、必ず確認しなければなりません。
つまり、「どのくらいのスピードで入れば、ランディングまで届くのか」を確認します。
アプローチスピードが速すぎると、「オレンジの☆部分」を越えて、飛び過ぎます。
多少の飛びすぎは、耐えられますが、ランディングを飛び越えるようなことは止めてください!!
今後、スノーボードが楽しめなくなる可能性があります。
なお、アプローチスピードの決め方については、こちらの記事を。
アプローチ姿勢
膝を曲げ、腰を落とし、低い姿勢でアプローチしてください。
リップが近くなってから、低い姿勢を作るのではなく、アプローチから低い姿勢で滑ってください。
リップでは、抜けに集中したいため、不要な動きを1つでも減らした方が安定します。
リップを抜けるのタイミング
キッカーにおいて「抜け(タイミング)」は、非常に重要です。
抜けが決まると、その後の滞空時間から着地までが安定します。
グラブトリック(ボードを掴む)も自然にできちゃうぐらいです。
抜けのタイミングは、アプローチスピードにも多少左右されますが、リップが前足を通過したぐらいから、前肩を前方斜め上に引き上げる意識で、後ろ足で立ち上がるイメージです。
タイミング合うと、テールがキッカーのRに合わせて「パンッ」と自然に反発するので、「ふわっ」と感じると思います。
ボードを付けていることを忘れるぐらい下半身が軽くなります。
最初は、オーリーを意識せず、キッカーのRに合わせて、上半身を上に送ることを意識した方が安定すると思います。(オーリーを使って高く飛ぶのは、キッカーに慣れてからのほうが良いです)
着地
着地(ランディング)は、雪面と肩のラインを平行にし、できれば微妙にテールからノーズの順(両足同時着地でなく)で着地すると着地の衝撃はほぼありません。
常に、前肩を落とさない(下げない)ように意識しましょう!!
前肩が下がると、肩から落ちて危険です。
まとめ
ここで、「キッカーを飛ぶときの注意点」をまとめておきます。
- フリーランのオーリーと、キッカーでのオーリーは別物
- キッカーのRを使って、上半身を引き上げることを意識する
- アプローチスピードは入念にチェックする
- 低い姿勢のままアプローチし、リップ(踏み切り)では伸び上がるだけにする
- 抜けでは、前肩を前方斜め上に引き上げる意識で、後ろ足で立ち上がるようにする
- 着地は、ランディングバーンの真ん中あたりを狙う
キッカーは「危ない」「怪我をする」というイメージが強いと思いますが、キッカーの遊び方を理解すれば、怪我のリスクをかなり減らせます。
つまり、キッカーの正しい知識を持つことは、スノーボードをもっと楽しむことに繋がるってことです。
ぜひ、正しい知識で、安全にキッカーを楽しんでください。
ちなみに、学生さんのグループが、「お前行けよ!」みたいなノリでキッカーに入り、頭から落ちて運ばれているのを何度か見たことがあります。
キッカーについて、何の知識もない人が、ノリでキッカーに入ると確実にやられます。
超危険なので、絶対にやめましょう!!
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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