お前ら~
バックサイド180が、やりたいか~?
「先生・・・バックサイド180がしたいんです・・・」
はい、ということで、今回は「バックサイド180 おれマニュアル(キッカー編)」です。(笑)
前回の記事で、「バックサイド180の始めかた」について「完全おれマニュアル」をご紹介しました。
今回は、その記事の続きになります。
もし、前回の記事を読まれてないなら、ぜひ、一読いただくことをオススメします。
キッカーで「BS180」を練習する前に、やっておくことについて、順を追って説明しております。
言わば、今回の記事を読むための事前準備ってやつです。
⇒バックサイド180の始めかた【まずはグラトリで回してみよう!】
読んでいただきましたか?
はい、それでは、本題に入ります。
一般的にBS180は、非常にランディング(着地)が難しく、グラトリで完璧でも、キッカーになると「ぜんぜん立てない」というのがあたりまえです。
理由としては「BS180」はストレートエアを違い、ランディングが見えない(見づらい)状態で着地しなければならないため、ボードの回転速度や、着地のタイミングがつかみづらいためです。
つまり、技の完成度を高めるのが非常に大変なトリックと言えます。
ですので、凡人ライダーさんには、かなりハードルが高いトリックと言えます。
超凡人ライダーである僕は、BS180には、ほんと、すっごい苦労をしました。
いやー、何度やられたことか・・・
そこで、僕と同じように「BS180」で苦労している人に、僕の経験がお役に立てばいいなって思い、この記事を書いています。
また、こんな想いも込めています。
「凡人だって、かっこいいBS180を決めたいんだよ~」
「BS180は、非凡なライダーだけのものじゃない!」
そんなことで、「凡人の凡人による凡人のためのBS180」と勝手に命名しています。
天才ライダーさんは、閲覧をご遠慮ください。
僕のヘタレさがばれるんで・・・(笑)
それでは、この掛け声と共に「バックサイド180完全マニュアル」のスタートです。
「全国に散らばる凡人ライダーの仲間達よ!共に、凡人の手にBS180を取り戻そうじゃないか!」
キッカーに入る前に
キッカーでBS180を練習する前に、これだけはやり込んでおいてください。
- グラトリでのBS180
- スイッチのフリーライディング
- ストレートエア(できればグラブも)
もし、この3つについて「ちょっと不安があるぞ」と感じているなら、ぜひ、復習をお願いします。
1と2については、前回の記事「バックサイド180の始めかた【まずはグラトリで回してみよう!】」を参考にしてください。
ストレートエアについては、こちらの記事がオススメです。
⇒キッカー記事のまとめ【ストレートジャンプの基本知識と理論(コツ)】
3つの重要なポイント「BS180」
キッカーに入る準備は完璧ですか?
それでは、まず、キッカーでのBS180においては、意識しなければならない重要な3つのポイントからご紹介します。
言わば、この記事の結論(伝えたいこと)になります。
この3つを疎かにして、BS180を決めることはほぼ不可能です。
- ライン取り
- 抜け
- 目線
逆に言えば、この3つを理解し練習を重ねることで、BS180の完成度を一気に高めることができます。
それでは、この3つのポイントを意識しながら、キッカーでのBS180を説明していきます。
ライン取り
スピントリック全般に言えることですが、ライン取りは、スピンの基本です。
言わば、「スピン ≒ライン取り」であり「ライン取りなくして、スピンはあり得ない」と言っても過言ではありません。
そのぐらいライン取りは、重要です。
BS180のライン取り
キッカーに対し、向かって右側から、ゆるめのバックサイドターン(ヒールエッジ)で、左側へアプローチします。
キッカーを上り始める少し手前で、トゥーエッジに切り替え、リップに対しボードが真っ直ぐになるようにします。
そのまま、キッカーを上っていき、テイクオフです。
ライン取りのポイント
ライン取りをきつくし過ぎないこと
バックサイドターンをきつくしてしまうと、トゥーエッジに切り替えた際に、横への遠心力が残り過ぎてしまい、キッカーを抜ける際に、真上に抜きづらくなります。
つまり、高さが出なかったり、ボードが回り過ぎたりします。
BS180は、たったの半回転(180度)でいいので、回らない心配より、回り過ぎの心配をしたほうがいいです。
ですので、ライン取りは、極力、ゆるい方がいいです。(理想は、ほぼ真っ直ぐで、エッジの切り替えのみ)
トゥーエッジを強く踏まないこと
キッカーを上っていく際に、トゥーエッジを強く踏みすぎると、フロントサイドターンが始まってしまいます。
キッカーに対し、真っ直ぐ進入するためにも「軽くトゥーエッジがかかっている状態」を作ることを意識してください。
コツとしては、ボードをフラットに踏みながら、両足のつま先で物を掴むような感じで、力を入れることです。
ぜひ、お試しを!
BS180の一連の流れ
ライン取りを理解したら、BS180の全体の流れを見ながら「抜け」と「目線」について、ご紹介します。
アプローチ
ゆるいバックサイドターンから、キッカーを上り始める前に、トゥーエッジに切り替えます。
この時、目線は、リップを見ています。
低い姿勢(軽いトゥーエッジ)で、キッカーを上っていきます。
重心は、「前足4:後ろ足6」のぐらいを意識しましょう。
その際、前肩を軽く開いておくと、抜けの際に回転力がつけやすくなります。
前肩の位置(目安)としては、「前足のかかと」ぐらいです。
目線は、まだ、リップをガン見してます。
抜け
抜けのタイミングは、ストレートエアと同様で、前足がリップを通過したぐらいから伸び上がっていきます。
最初のうちは、オーリーは軽めに行ってください。
おもいっきりオーリーすると、バランスを崩します。
抜けの瞬間は、前肩を斜め上に引き上げると同時に、目線を「前足のつま先あたり」に送ります。
覗き込むのではなく、あごを引いて、下を向く感じです。
覗き込むと、頭が下がって、前のめりになり危険ですので、やめましょう。
なお、前肩の引き上げ方ですが、前肩の位置が「前足のかかと」から「前足のつま先」に移動するぐらいを目安にしてください。
前肩を少し、被せるイメージです。
抜けは、回すというより、軽いトゥーエッジで、しっかり真上に伸び上がることを意識してください。
回す意識は、ほぼ必要ありません。
なぜなら、この3つの動作で、BS180の回転力は十分だからです。
- 前肩を軽く開いたアプローチ姿勢
- 軽いトゥーエッジ
- 目線を前足つま先に送る
これだけで、勝手に回ります!
心配なのは、回りすぎです・・・(笑)
ピーク
エアーのピークでは、ボードを引き上げ、コンパクトな姿勢を取りましょう。
余裕があれば、グラブを入れてみましょう。
この画像は「メランコリークラブ」です。
回転のイメージとしては、ピークで90度が目安です。
そして、ピークから着地までに、残り90度回転させるイメージです。
ただ、実際には、空中で180度回してしまうと回り過ぎてしまいます。
ですので、ピークで90度、ピークから着地までに70度を意識して「BS160」をイメージしたほうが立ちやすいと思います。
そのほうが、トゥーエッジでの着地がしやすく、回り過ぎを防ぐことができます。
目線は、ひたすら「前足のつま先あたり」を見続けてください。
ランディング(着地)
ピークを過ぎたら、グラブを離し、着地の準備をします。
着地は、抜けの瞬間から見続けている「前足のつま先越し」に、ランディングバーンを確認します。
つまり、目線は、抜けから着地まで常に「前足のつま先あたり」を見続けることになります。
これ重要なポイントです。
ランディングバーンが近づいてきたら、膝を使って、トゥーエッジで着地します。
ランディング(着地)時の注意点としては、すぐに進行方向に目線を送らないことです。
グラトリでのBS180同様に、少しの間、前足(スピン後は、後ろ足になります)のつま先を見続けてください。(少しのあいだ、後ろ向きで滑るイメージです)
あとは着地の際、ノーズ側に重心が寄りやすいので、ボードの中心に乗ることを意識し、テール側をしっかり踏むようにしてください。(テール側に重心を移動するイメージです)
これで、キッカーでの「BS180」は完成です。
BS180のオススメグラブ
メランコリーグラブ
まずは「BS180の一連の流れ」で紹介した、メランコリーグラブです。
メランコリーグラブは、回転方向に逆らってグラブ(前手でかかと側のエッジを掴む)するため回転を抑えるのに適してます。(まわり過ぎを抑える)
つまり、メランコリーグラブは、グラブすることで自然に回転を抑えることができます。
着地後、ボードがドライブしてしまうなどの「回り過ぎに悩んでいる人」にオススメです。
ミュートグラブ
次は、ミュートグラブです。
ミュートグラブは、メランコリーグラブとは逆で、回転方向に対し自然にグラブ(前手でつま先側のエッジ掴む)できるため回転を補うことができます。
また、他のグラブトリックと比べ、比較的グラブしやすいと思います。
ただ、BS180で「どうやっても、180度回らない・・・」という人に会った事がないため、BS360以上の回転で威力を発揮するグラブです。
BS180でミュートグラブをするときは、逆に、回転数を抑えるのに苦労すると思います。
【BS180ミートグラブのイメージ】
低い姿勢でアプローチします。
極力、ボードを真っ直ぐにして、抜くようにしてください。
空中に出たら、グラブ(ミュート)します。
余裕があれば、ピークでポークしてください。(スタイルをだす)
前足のつま先越しに、ランディングバーンを確認し、着地に合わせていきます。
そして、着地です。(少し回りすぎてますね・・・)
レイトのBS180
グラブではないのですが、BS180ではレイト(遅く・ゆっくり)で回すトリックがかっこいいです。
慣れてきたら、やってみてください。
【レイトのBS180のイメージ】
ゆるいバックサイドターンからのアプローチです。
低い姿勢(軽いトゥーエッジ)でキッカーを上っていきます。
抜けの瞬間に、目線を前足のつま先に送ります。
空中に出たら、ピークまでボードを回さないように、下半身をロックします。
イメージとしては、フロントサイドシフティーをする感じです。
ピークを過ぎたら、ランディングバーンに対し、ボードを合わせていきます。
上半身と下半身を逆にひねるようにし、ボードを回転させてください。
そして、着地です。(ちょっと、ヒール気味になっちゃいました)
スピンは、小さめのキッカーから始めよう
恐らく、BS180にチャレンジしようと思う人の多くは、ある程度「ストレートエア」をやり込んでいると思います。
ストレートエアで、ビックキッカーを飛べるからって、いきなりビックキッカーでBS180を仕掛けると必ずやられます。
ストレートエアと、スピントリックは、全くの別のものだと思ってください。
つまり、ストレートエアの達人でも、スピントリックは、初心者からのスタートということです。
悲しいですが、それが現実です。
そうです、スピンは、1からやり直しです。
ポコジャンと言われる、3mぐらいのキッカーから練習しましょう。
ちなみに、僕も、ストレートエアでは、それなりのサイズを飛んできましたが(自分で言うのもなんですが)スピンでは、ストレートエアの半分ぐらいのサイズのキッカーまでしか飛べません。
そうです、そうです、ヘタレなんです・・・
でも、リーマンなんで「無理は良くねーよ」ってことで。(笑)
これだけはダメ!「BS180編」
キッカーでのBS180において、「一番やっちゃダメなやつ」を紹介します。
これはダメ!ランキング1位
「キッカーのリップを抜ける前に、ボードが回り始めてしまう」
いわゆる「早抜け」ってやつです。
では、ダメな理由についてです。
- 高さが出ない(かっこ悪い)
- 飛距離が足りない(ランディングバーンまで届かない)
- リップに逆エッジが引っ掛かる(後頭部から落ちる)
こんな感じで、良いことが1つもありません。
じゃ、どうすればいいの?
「BS180は、リップを抜ける瞬間まで、ボードを真っ直ぐに抜くことに集中する」
「そんなこと、わかってるわ~」って聞こえてきそうな・・・(笑)
そこで、僕が心がけている、ボードを真っ直ぐ抜くためのコツをご紹介します。
僕の場合は、これに尽きます。
「アプローチで躊躇したり、ビビッたりしない!」
アプローチにおいて、キッカーへの進入速度で躊躇したり、ビビッたりすることで、トゥーエッジが強くかかり、ターン(フロントサイドターン)が始まってしまいます。
また、ビビッてしまうことで、リップギリギリまで、オーリーが待てなくなります。
これが、早抜けになる原因です。
ですので、初めてのキッカーにおいては、いきなりスピンをするのではなく、ストレートエアで何本か飛び、アプローチ速度や滞空時間をチェックしておきましょう。
あとは、ビビッたりしないように「おれ、かっこいい!」と心に念じ、アプローチしてください。
結構効果ありますよ。(笑)
なお、多少ボードが回り始めてしまう程度ならまだ良いのですが、ひどい人だと90度ぐらいボードが回ってしまう人がいます。
これ、本当に危険なトリックなので、止めてください!
ちなみに、この場合のトリック名は「BS180」ではなく「BS90」です。
略すと、「B9(バック9)」となり、かっこいいんですが・・・
でも、死ぬほうの「B9」なんですよね~(笑)
まとめ
ここで「バックサイド180 おれマニュアル(キッカー編)」のポイントをまとめておきます。
- ライン取りを意識し、軽いトゥーエッジで真っ直ぐアプローチする
- 抜けの瞬間、前肩を斜め上に引き上げつつ、あごを引き目線を前足のつま先に送る
- ピークでは、ボードを引き付けコンパクトな姿勢をつくる
⇒目線は、前足のつま先のまま固定する - 前足のつま先越しに、ランディングバーンを確認し、トゥーエッジで着地する
- 着地後は、すぐに進行方向に目線を送らず、少しの間、後ろ向きのまま滑る
キッカーでのBS180は、はっきり言って難しいです。
プロライダーさんでも、10本飛んで完璧に10本決められる人は、ほとんどいないそうです。(雑誌のインタビューで読んだ知識です)
ですので、まずは、ボードからしっかり着地することだけを意識してください。
ボードから下りれば、着地の衝撃も少ないですし、心も折れません。
BS180の完成度を上げる近道は、しっかりと理論を理解した上で、やり込むしかないと思います。
理論だけでもできませんし、理論を全く理解しないでやり込んでも、ただ、やられるだけです。
ぜひ、今シーズンは理論を理解し、憧れのトリック「BS180」をかっこよく決めちゃってください。
なお、この記事で紹介したノウハウをベースに、ライン取りや目線など、個人のクセに合わせて微調整してくださいね。
誰にでも、100%当てはまるマニュアルは存在しませんから。
おわりに
キッカーで遊ぶなら、このボードがオススメです。
コンベックスソールで、無駄にエッジが引っ掛からないため、BS180の抜けで絶大な効果を発揮します。
僕は、このボードで、劇的にキッカーの抜けが安定しました。
詳しくは、こちらの記事をどうぞ。
⇒国産スノーボード「ノベンバーアーティスト」に私が乗り続ける理由
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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